問1 大会のネーミングで注意することは何ですか? |
誤って「ツール・ド・○○」と名づけたくなりますが、絶対にいけません。自転車愛好者は、その大会を「純粋な競技・競争・レースで、とにかく飛ばせばいいんだ」と理解します。
順位付けをしないサイクリング大会では、
「○○一周△△kmサイクリング」
「センチュリーライド○○」
「サイクルマラソン○○」
などと名づけて、自転車愛好者がその内容を正しくイメージできるようにします。
また、大会を呼ぶとき「このレースでは、…」と記述してはいけません。「この大会では、…」のように「大会」あるいは「イベント」と呼びましょう。
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問2 大会に参加する方々を何と呼べばいいでしょうか? |
競技競争ではないので、「選手」は誤り。「参加者」と表記しましょう。
「競技中」とかも誤り。「走行中」とかすべきです。
さらにいえば、「途中棄権」も誤り。「制限時間による足きり」です。
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問3 スタート方法はどうすればいいでしょうか? |
とても重要です。スタートラインに参加者をいっせいに並べ、「よーい、ドン」と号砲を打つなど論外。これでは、参加者が「これはレースだ」と勘違いし、信号無視など傍若無人な走りをします。ゼッケン順に3〜5人ずつ、数十秒から数分間隔をあけて、走り出す。前にスタートした組の姿が見えなくなってから、スタートさせると、後を追って爆走することも少なくなります。
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問4 完走記念品は何がいいでしょうか |
すてきなデザインで額に入れて飾っておきたくなる。そういう思い出に残る完走証を用意しましょう。ただし、完走証には、「タイム」の欄は不要。完走したことのみを称える内容にします。品物は好みやサイズの問題があるので、特になくてもいいでしょう
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問5 参加費はいくらぐらいが適当でしょうか? |
センチュリーライドで4000円程度が相場です。主催者が赤字にならないように、必要な額を求めましょう。
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問6 事前に地図は配ったほうがいいですか |
自転車長距離走の基本は「個人単位の小さな冒険」です。だとすると、地図を配って、「よく見ておくように。迷子になったらあなたの責任。」と宣言するくらい、毅然とした態度が必要です。
しかし、本当に迷子が生じると困るのは主催者。やむなく、曲がり角には、人を立てたり、案内板を置く必要はあります。
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問7 発着点の設定に当たっての注意事項は、ありますか |
車で来る人しか考えていない場所を発着点にする主催者がいますが、それは誤りです。自転車の巨大市場である首都圏や関西圏からの来場者は、かなりの割合で鉄道で輪行してきます。鉄道幹線の特急停車駅の近くがいいでしょう。駅にコインロッカーがあれば、走りに不要な輪行袋などを預けられます。
また、発着点の近くに、入浴施設があることも重要です。輪行にしても車にしても、汗を流してさっぱりしてから帰りたい。さらに、コンビニがあればうれしい。飲み物や補給食、さらにはカッパの代わりになるビニール袋を出発前に手に入れられます。
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問8 エイドステーションは必要ですか? またその間隔はどれくらいに |
1時間に1回の休みを取らせる。そう計算すると、25km程度に1か所必要です。暑い時期の大会では、エイドステーションに日陰が必要です。そういう場所を探しましょう。バナナやスポーツドリンクが定番メニューですが、長時間の運動で失われやすい塩分補給のため、塩や梅干、漬物も必ず用意しましょう。
でも、「個人単位の小さな冒険」と考えると、上級者向け大会の場合は、コンビニ全盛の昨今、「自主補給」として、エイドを置かない方法もありです。
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問9 ゴール地点には、何があると喜ばれますか? |
まず、ゲートがあると、「ついにゴールだ!」と実感できてウレシイです。そして、塩気のある食べ物(カップラーメンか豚汁が理想)と冷水。それだけで十分です。ビールは禁物。血液中の水分が汗で出てしまった身体にビールを流し込むと、アルコールの分解でさらに脱水症状を促進し、望ましくありません。車を運転する人もいるので飲酒運転の助長になります。
そして、参加者どおしが語らったり、仲間を待っていられるような、「日陰」「木陰」「日よけ」があると素晴らしい。腰を下ろしていられるように、下が芝生だったりするともう最高です。走り終わったあと、走りを振り返り、同行者と交流を深められる。大会の感動が2倍、いや10倍になるでしょう。
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問10 全くの初心者が参加して、リタイヤ者の回収やトラブル対応が大変でした。
多少なりとも経験ある方に参加者を限定したいのですが、どうすればいいのですか?
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過去のイベント参加経験で制限を設けるといいでしょう。「センチュリーライドやサイクルマラソンで60km以上の部門の完走経験者」とかすれば、初心者は参加できません。参加者数の多さを誇る大会もありますが、それがどうした?ちょっとやそっとじゃ、参加できない、格式のある大会を目指す方法もありでは。
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問11 自転車の整備は自己責任でよいのですか |
これも主催者の考え方次第です。基本は、自己完結=参加者による整備です。自転車を整備して、楽しい1日を過ごそう。前向きな心がけをする人を対象にすべきです。そうしないと、「お金を払ったのだけら、主催者が何でもしてくれるはず。修理しないとはけしからん」みたいな、馬鹿な参加者によって、主催者が振り回されることになります。
とはいえ、甘いブレーキのせいでカーブを曲がりきれず、下から来た車と正面衝突。こうなると当事者のみの責任とは行かず、警察から主催者の責任を問われます。困った時代です。
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問12 参加者の暴走が目に余ります。警察からも注意が来ています。
どうすればいいでしょうか? |
頭の痛い問題です。事前の告知段階から、大会の呼び方や走行方法を繰り返し、注意します。その上で、開会式等でも、厳しく言う。スタート方法にも気を配る。走行中は、先導バイクを置き、一定以上のペースで走っても頭を押さえられると、参加者に意識づける。いろいろですが、特効薬はありません。
当会では、「フェアプレイ賞」を提供していますから、その利用も一計です。速い人ではなく、ルールを守った人が賞賛される。その仕組みが必要です。
次年度の参加者減をいとわなければ、途中に審判(マーシャル)を置き、違反走行(信号無視)したもののゼッケンを控え、完走を認めない。次年度の参加を断る。そのくらいの荒療治もありだと思います。
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